現代音楽忌憚
あなたが最後にCDを買ったのはいつですか?ダウンロードですか?ケータイの着うただけですか?
仕事で時々CDの即売・サイン会などをやったりしますが、CDのパッケージを開けられず手間取っている姿が見うけられます。それだけCDを買っていない、ということでしょうか。
音楽業界の不況といわれて久しい今日この頃。レコード会社も再編をはじめ大変なことになっています。何が大変って、要するにCDが売れていないということです。かつてCDやレコードのミリオンセラー、つまり100万枚以上のセールスが年に何曲かはありましたが、ここ数年ミリオンヒットはありません。
ではどれだけ深刻かというと、ケタ違いにCDが売れなくなっているという事実。オリコンチャートの30位がなんと2000枚割れ。4月には100位が史上最低の535枚だったそうです。
原因は様々あるのでしょうけれど、好みとジャンルが細分化されていて、音楽が早いサイクルで大量に消費されているなぁと感じています。少なくとも10年前まではもっとみんなで同じ音楽を聴いていたような気がするのですが。
でも着うたは100万DLがあったなどと聞きます。いい曲にはもちろんパワーがあって、そういった数字が出ますが、数百円のダウンロードで、アーティストがどれだけ潤うでしょうか。またこういった数字が出る場合は、無料DLなどキャンペーンの場合が多く、あくまで話題作り、プロモーションの一環でしかないのです。本当はCDが売れなければ、レコード会社も、販売店も、アーティストも立ち行かないのです。
2006年にアメリカのタワーレコードが経営破たん。日本でも、北海道、東海、北陸など地元で愛されてきた中小のCD販売店が倒産しています。
先日、浜松市内のショッピングセンターを歩いていたら、家族連れの息子さんが「ちょっと“音楽屋さん”に行ってくる」と言って外資系CDショップに入っていきました。彼にとっては音楽ツールがメディアとしてのCDという意識ではなくなっているのだと思います。
とかく日本は、アーティストの立場が低く、社会的に認められていない節があります。これでは芸術や文化は育ちません。本来は、芸術家はもっと大切にされ、優遇されるべき。世界の身分制度でも、ミュージシャンは(祭事など宗教色も強いけれど)貴族など政治力を持つ位の上の、最上の立場だったりするのです。
さいごに。
一番今変わらなければいけないのは、大手レコードレーベル。レコード会社は本来著作権で食えているはずなのだから、若手アーティストにCDを乱発させて2年でクビにするのをやめること。現代のアーティストは非常に不幸です。僕らを音楽で幸せにしてくれるアーティストを、もっと大切に、そして長く活動出来るシステムを作ってください。
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